2022.7.26 太地町育ちの青年とイルカ猟師。2人と交流したさっち~のお話。太地町イルカ追い込み猟に関わるこの半年間の世間の動き情報まとめ。動物搾取ビジネスの存続は難しくなるばかり。
またあの恐ろしい地獄の日々が始まる。
前シーズンのイルカ追い込み猟が終わってからもう半年が過ぎ去ろうとしている。
この半年、イルカ追い込み猟自体はなかったが、
これまでに生け捕りされた凄まじい数のイルカ達は、
太地町の森浦湾を中心に作られたイルカ監獄の生け簀の中で、
この半年間も毎日拷問漬けの絶望の日々に苦しめられてきた。
野生下から捕獲されるシーンに焦点が当てられがちだが、
太地町から水族館に売られていったイルカも含め、これまでに犠牲になりすでに囚われの身となったイルカ達の苦痛は計り知れない規模となっている。
そんな犠牲者たちのことも、常に気に留めて置いてもらいたい。。。
私はそんなイルカ達の様子が気になるのと、今年の2月に太地町を訪問した際に知り合った太地町で生まれ育った青年(O君)との再会を果たすため、7月に太地町に行ってきた。
2022.2.24 O君についても触れている2月訪問時の投稿
太地町に足を運ぶと毎度恐ろしいと感じるのが、あまりに静かすぎてイルカ達がまさかそんな目に遭わされていることが一見解らないこと。
ここは太地漁港と繋がるエリアにある駐車場だが、目の前に生け簀があっても
そこにまさか家族を殺されて生け捕りにされた多数のイルカ達が監禁されているなんて、無知な人達は想像もできないのではないだろうか。目の前に絶望の牢獄があることは知ってる人にしか伝わらない、
それが更に残酷さを際立たせる、本当に静まりかえった怖い町。


2月に知り合ったO君は、実は森浦湾をカヤックで案内するバイトをしていて、以前より生け簀にいるイルカ達の飼育環境は決して良いとは思えず可哀想だと感じていたそうだ。
O君はまた三軒町長のやり方に大きな不信感を抱いており、このままだと太地町の未来はないと考えていて心の内を色々話してくれた。
そして彼は私と話をするまで、イルカ展示ビジネスのために行われているイルカ追い込み猟の実態について良く知らなかったよう。
生け簀に閉じ込められたイルカを可哀想と感じることのできるO君には勿論イルカ追い込み猟の残酷さが理解できた。
そして捕鯨の町で産まれた自分は捕鯨そのものに反対はできないがと前置きはあったものの、
イルカ追い込み猟(展示ビジネスのための捕獲)に関しては私の訴えに共感すると言ってくれた。
これだけ捕鯨の町として注目されていながら、地元の人でもイルカ追い込み猟の事を良く解っていない人は多い。
地元だから、ずっと昔から行われている事だから、それ自体に関心がなかったり、疑問を抱かないままになるのかもしれない。。。
そして今回、また会う時があったら森浦湾をカヤックで案内できると言ってくれていたので、
今回彼の案内で森浦湾に浮かぶイルカ監獄を間近で確認してきた。
彼には前に太地町住民でイルカ追い込み猟反対活動してるkunitoさんにも逢ってもらいたいと話していたので、
今回kunitoさんにもお願いして同行して貰った。


100頭以上のイルカが監禁されてるイルカ監獄。
生け簀に近づくと、奴隷にされたイルカ達の息遣いが聞こえてきて悲しい。
区切られた生け簀の中には数頭づつが所狭しと閉じ込められていた。
知ってはいても、間近で改めてイルカ達の姿を確認して、やはりこれが現実なんだと、やりきれない思いに襲われる。
生け簀のイルカの管理は、太地開発公社や太地町立くじらの博物館のスタッフによって行われているとのこと。
現在スタッフが足りない状況だそうで、中国人のバイトも雇われていた。
生け簀では写真撮影禁止とのことで、カメラにおさめることが出来なかったのが残念だが、
餌やりのスタッフがづくと、いつもはジッとしているイルカ達が一斉にジャンプしだす光景には特に胸が痛んだ。
野生イルカは自分で餌になる魚を探すことに多くの時間を費やすが、生け簀の中ではそれができない。
薬物を詰め込まれた死んだ魚を調教のご褒美に与えられるだけ。
極限状態まで追い詰められたイルカ達はもうそれに従うしかなくなってしまう。
何もすることのない生け簀の中で、それが唯一の楽しみの時間にもなっているということ。。。
勿論すべてのイルカがそうではない。
まだ完全に奴隷化に至ってないイルカ達もいる。
固まったように全く動かない、餌を食べようとしない、拒否反応を示す子。。。
中々餌を食べようとしないイルカ達にトレーナーは手を焼いていた。
そういう子たちは口を乱暴に開けられ暴力的に餌を詰め込まれることもある。
人間にすんなり従わせるイルカを育てる拷問場。ここは奴隷生産工場なのだ。
そりゃ撮影禁止にするだろう。
また今回生け簀のひとつひとつにこれまでなかった監視カメラ?が設置されている事にO君が気づいた。
イルカ達の様子を確認するためか?
O君は冗談で、私みたいな人が網を切らないよう見張ってるんじゃないですか?と言ってたが、笑
現実問題、残念ながらそれを実行してもイルカ達を逃がすことはできないのだ。
何故なら森浦湾はクジラ牧場計画で遊歩道を境界線に端から端まで仕切り網が張られていて、逃げられないようになっているから。
だから私が切った所で逃すことはできない、そんな無駄な行為を行ったりしない事を知って欲しい、苦笑
またO君の話によると、遊歩道も途中までで終わっているが、いま森浦湾の工事は中断しているらしい。
しかも工事が進んでいない理由が、残りの工事費用がどこかに消えてしまったからと噂されているらしく、ほんとどんだけヤバイ町なのかと。
それが本当ならいったい誰の懐へ?是非明らかにしてもらいたいものだ。
因みに、この時、カヤックで渡った向こう岸には、あろうことか裏手にゴミが山積みにされていて、隠しておけばどうにかなると思っている?太地町の隠蔽体質が別の角度からも垣間見れた気がした。


いったい何のゴミが放置されているのか見ていたら、
クニトさんがそれは真珠養殖で使ってたやつだと教えてくれた。
そうだ。ここ森浦湾が以前は真珠の養殖場だった事を思い出した。
太地町は捕鯨以外のちゃんとした伝統産業を有していたのだ。
しかも、和歌山県で唯一の真珠養殖業を行っていた三幸漁業生産組合の長は、現太地町長の三軒町長だった、
しかも三軒氏のお父さんの意思を引き継いで行っていたというから、三軒町長はそもそも捕鯨とは別業界の人。
なのに捕鯨文化を偉そうに語る三軒町長の胡散臭さは半端ない。
詳しくは捕鯨問題に詳しいカメクジラネコさんの記事を読んで欲しい。
「2013年10月18日◇伝統産業を政治力でねじ伏せる捕鯨の町・太地のやり方はまるで原発推進電力会社」
~イルカ追い込み猟以上に重要な伝統産業だったはずの真珠養殖の方は、どういう理由によってか、他の方に事業を譲ったうえで、結局鯨の海構想のために潰してしまおうと、三軒氏はお考えになったわけです。~
http://kkneko.sblo.jp/archives/201310-1.html
「森浦湾に真珠を求めて―三幸漁業生産組合」代表者 三軒一高
http://www.wsk.or.jp/book/40/02.html
すっかりイルカ搾取ビジネスに染まってしまった町。
そしてそこから一歩も動こうとしない、変わる気配のない太地町。
一方、世間の動きに目を向けると、この半年間は娯楽ビジネスの犠牲者となる動物達にとって
これまでにないメリットと思えるニュースや動きがいくつかあった。
動物見世物ビジネスによって成り立っている太地町イルカ追い込み猟にも当然関係してくるニュースの数々だ。
大きな変化と思えたひとつめのニュースは、しながわ水族館がリニューアルオープンに向けてイルカショー廃止宣言したこと。
その理由が"イルカのため"ではないにしろ、イルカ保護を訴えてきた人々の意見や世界的な動向が決定に影響を与えてた事は確かだ。
そしてその後、更なる波が来た。
日本で一番人気の水族館「桂浜水族館」が、突然動物ショー廃止宣言したこと。
ここでの理由はずばり"動物のため"であった。
ただ動物のためと言っても、ショーを続けることでの動物達への負担を考えてのことで、動物利用そのものを否定している訳ではないが、それでも、これまでにない大きな動きだ。
(過去関連記事)
2022.5.10 この日本でついにイルカ解放の未来が見えてきた…「しながわ水族館がイルカの展示を廃止へ!!!」これを活かすか殺すかは、イルカ達の苦しみに寄り添える人達にかかっている。第2波を起こすためにやるべき事をやろう。意見を届けよう。
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-432.html
2022.6.10 好きな水族館ランキング1位の「桂浜水族館」が!!なんと動物ショー廃止宣言!!!しながわ水族館のイルカショー廃止宣言に続く第2派が到来(ToT)
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-436.html

北海道の札幌市では全国初となる「動物福祉」を掲げた動物園条例が成立するという動きもあった。
動物見世物ビジネスでの動物達の扱いの酷さが当たり前だった日本に動物倫理について考える意識が育ってきている、ようやく、スタート地点に立ったことを感じさせられるこれまでにない半年間だった。
また、昨年9月30日に老朽化で閉館した京急油壺マリンパークが
8月25日に日本初のバーチャル水族館としてリニューアルオープンした。
京急油壺マリンパークは日本でイルカの長距離輸送を始めて成功させた水族館で、それがきっかけで離れた他の水族館も太地町イルカ追い込み猟からイルカを購入するようになってしまったそうだから、そのレールを敷いた京急油壺マリンパークの罪は大きい。
バーチャル水族館と言っても、動物保護を訴えてる訳でもない、ただ油壺マリンパークの歴史を振り返るだけに留まる全く中身のないオンライン運営の形態ではあるが、これもまた水族館の在り方を見つめ直す大きな流れに乗っかっていることは間違いないと思う。
また今年はコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻を背景に続く食料やエネルギーの価格高騰により輸入に頼りきってる日本の経済的ダメージは勿論大きく、中でも動物を拘束して成り立つ業界のダメージは特に大きいものとなっている。
廃業する農家も増えており畜産業界は縮小するしかない状況だ。
勿論、動物に与える餌の問題で同じく動物園や水族館も益々窮地に立たされる状況になっている。
戦争のお陰でなんて言いたくはないが、思わぬ形で動物を積極的に犠牲にしてきた業界が困難な状況に追いやられているのはありがたいとしか言いようがない。
2022.6.5「餌代/光熱費/燃料代 水族館・動物園に高騰の波直撃」 静岡県内
https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1076179.html?lbl=10333&fbclid=IwAR0aiuloTTLVSpOUbO4KI157WoG2EmPbQ0CzMCP6kLtQk-zhUK1tJmYyUU8
2022.8.28 餌代や光熱費高騰で動物園がピンチ 職員も節約に奮闘も「もうどうすることもできない」
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/866269

また、和歌山県太地町のイルカ追いこみ猟を支えてきた大きな力になっている、政治的な圧力の問題。
この半年で大きな変化が起こってる。
まずは自民党の中だけでなく捕鯨推進勢力として最も活躍してきたあの二階が失脚したこと。
これごときでくたばるジジイではないが、これまでのような大きな力が発揮できる状況になくなった事は確かであろう。
普通に考えて年齢的にも厳しいものがある。
更には、イルカ追いこみ猟を許可してる立場であるだけでなく、二階と一丸となりこれまた積極的に捕鯨推進勢力として無駄に活躍してきた和歌山県知事の仁坂氏が引退することになった。
また、世界的にも大ニュースとなったが、二階と一丸となり捕鯨で美味しい思いをしてきた安倍が銃撃されこの世から去ったことである。
太地町イルカ追いこみ猟を支えてきた大物政治家たちがこのような状況に陥ってることは
これまでにない非常に大きな変化だろう。
(関連記事)
和歌山 仁坂知事“知事の務めは今期かぎりに” 引退する考え NHK和歌山県のニュース
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20220615/2040011697.html

あらゆる側面から、太地町イルカ追い込み猟の存続は難しい。
益々そう感じ受け止められるニュースが続いた。
世の中の動きを追っていれば、そう考えるのは普通のこと。
そんな中、私は今回太地町を訪れた際、イルカ猟師の小畑氏と話す機会を得た。
ブログでも以前触れているが、
小畑氏は2017年にTVで太地町イルカ追い込み猟の問題の特集が組まれた際に
「イルカショーを観たいというお客さんがいる限り、自分達も折り合いをつけてやっていくしかない」と意味深な発言をしていて、
この人はもしかして話が通じる猟師ではないのか?と以前から感じており、
一度じっくり話してみたいと思っていた人物である。
(過去関連記事)
2017.12.7 太地町イルカ猟師の小畑組合長の発言に注目!!イルカ猟を続けるのはイルカショーのせい?必見の報道「かんさい情報ネット tenで太地町イルカ猟問題が放送されました。」
"イルカの捕獲は許されるのか?"
小畑氏のコメント↓
「それは言われると厳しいところもあります。ただショーとかで喜んでいる人とかそれを目的に来てくれる人というところで、自分が折り合いをつけないといけないのかな。。。難しいですね。。。」
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-106.html


そしてそれを叶えられる状況が目の前に現れた。
太地漁港に停泊している船で小畑さんが作業をしていたのを発見し、思い切って話しかけてみたのである。

過去にも別の猟師に挨拶がてら話しかけた事はあるが、「お前らみたいなのと話す事は何一つない。さっさと帰れ。」と言われた事があったので、今回もそんな展開になることは視野にいれてのことだったが、
しかし小畑氏は抵抗することなく、優しい微笑みで私の問いかけに丁寧に対応してくれた。
やっぱりなんとなく私が勝手に抱いていた良い方の印象が真っ先に来た感じだった。
そして前から気になっていた質問、テレビでの発言について真っ先に問うてみたが、
小畑氏は、何を言ったか覚えていないとのまさかの返答、笑
それが本当なのか?計算なのか?知る由はないが、
それを言われたら簡単に話が終わってしまうため焦った。
この動画をその場で見せられなかったのが悔しかった。
しかしその後も場を繋ぐため、あれやこれや質問を投げかける私の話に小畑さんは付きあってはくれた。
イルカ追い込み猟の目的である水族館展示ビジネス用のイルカを捕まえる件について、
しながわ水族館の件含め、世間が動物犠牲ビジネスに背を向けはじめていることについてどう思うか?
今後の猟に影響は出るか?問うたが、
情報も知らないだけでなく、そんなことは小畑氏(猟師)にとってはどうでもいいような無関心な口ぶりだった。
そして話を進めるに連れ、やっぱりそうなるのか、、と簡単に想像できる回答ばかりが続き、
結果的に、なんやかんや猟師として太地町イルカ追い込み猟を続ける聞き飽きた言い訳を散々聞かされるだけの展開になった件、苦笑。
その返答の数々は、これまでSNS上から情報を得てどれも聞いたことのある定番のセリフばかり。
この人たちは、本当に古い考えから抜け出せない人たちなのだなと、、、
水族館を相手にイルカを売買するのは先祖がやってきたことではないと突っ込んでも、先祖がいたから自分がいることを強調し、そんな先祖が守ってきてくれたことを大切にしているのだと強調していた。
それを観て私は、古い考えに固執したままでしか生きていく事のできない目の前の存在に胸が痛んだ。
中でも特に胸が痛んだのは、子供に堂々と胸を張って凄い仕事をしているんだと見せてやれる存在になりたいと、少年のような生き生きとした顔で説明していた事。
この人は地元に密着して生きてきただけの良く言えばすごくピュアな人なんだと思わずにいられなかった。
子供達が実際何をしてるかちゃんと知っているんだろうか?と考えたら、そんな子供の気持ちを想って胸が痛んだ。
そして小畑さんに「子供達が動物愛に目覚めたらどうするのか?」と問うたが、"それはない"とすんなり返されたが、、、
"それは子供達の気持ちを否定する事になる。それは良いというのか?"
小畑さんの心情も解る気がしてそこまでつっこめなかった自分もいた。
きっとそれは、小畑さんが本気でそう思っているわけではないというのが伝わったからなのだと思う。
今回色々話してみて、イルカが可哀相なのは勿論だが、そんな境遇に生まれ育ったイルカ猟師も可哀相なのだと思わずにいられなかった。
またこの時はそんな事があったことをすっかり忘れていたが、
私は過去にイルカ猟師の子供達と話したことがあった。
その時、その子供は「イルカと共生できる道があるならそれが1番いい」と意見を述べてくれていた。
後の祭りだが、せめてその情報提供くらい出来たら良かったと記憶力がすっかり低下してる老化してしまった己の存在にも残念さを感じてしまう。
(過去関連記事)
2018.8.3
デモ行進前日の熱かった1日。太地町の子供たちの動物愛護意識調査。太地町の皆さまのご協力。1年で17名のイルカ達が死亡する、くじらの博物館の動物虐待チェック。さっち~とシーシェパードの関係。他、お楽しみくださいw
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-195.html
また小畑氏は、おたくらは簡単に止めろというが、止めた場合の事をちゃんと考えてそれを言っているのか?と、その点についてはかなり強気の返答で、"生活の保障をしてくれるのか???" と問い詰められるばかりだった。
いつも思っているが、消費者のニーズ次第で日常的に廃れていく業界は多々あるが、いちいち相手に保障を求めたりはしていない。私自身も仕事が減ったからと、離れていったお客さんに対して保障しろ!!とそんな風に思ったことなどない。
そう考える私は、当然生活の保障までは出来ないし、それを求めるのは違うことを伝えた上で、
止めてくれるなら、それに代わる、例えばイルカウオッチング事業をするならそれを全力で応援したい気持ちは伝えた。
それは「イルカを見守るイルカウオッチングに変えよう!」と、太地町で初のデモ行進でも訴えているが、ずっと考えている事だ。
イルカ達だけでなく、猟師らとも共生の道を探っての訴えだった。
2018.8.4 命を守る伝統を刻もう!太地町をイルカ保護の町にしよう!「太地町でイルカ追い込み猟廃止を求めるデモ行進」活動レポ
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-197.html

応えてくれるなら、応援したい気持ちがある事は、理解しておいて欲しいと思っていたし、
私と同じように応援したいと思う人は多いと思っている。
せめてそれを伝えられただけでも良かったかもしれない。
また最後は漁業が漁具を垂れ流して海を汚し海洋生物達を苦しめてる問題についてまで話は発展したが、
小畑さんがその点については私の話にすんなり同意したのには驚いた。
イルカ猟師がタバコを平気でポイ捨てしてる件についても問うたが、そこは注意してるそうだ。
ゴミ問題についてちゃんと考え行動してる猟師は一体どれだけいるのか?
それすら少ない現状があることが容易に解ってるだけに、その程度の意識の共有が素晴らしいという事にするしかなかった事も辛かった。
言い訳としか思えない点も多々だったけど、それでも私にはやっぱり小畑さんは、まだ話のわかる人なのだと確認できた貴重な時間になったと思う。
結果的に約30~40分ほど話せたが、初対面でありながら良く話せた方だと思う。
勿論この程度の会話でこちらの気持ちが伝わるはずもなく
最後は、「今年もイルカ追い込み全力で頑張ります^^」と笑顔で返されたが、
私も「反対活動頑張ります^^また会う時があったら是非お話してください」とお別れした。
しかし、そんな最後のシーンは決して悪い空気ではなかったと思う。
小畑さんはもう少し柔軟な考えができる人ではないかと(私が勝手に)思っていただけにガッカリな部分もあったが、今回の対話は個人的に大きな収穫になったと思っているしありがたい出来事だったと思っている。
今回太地町を訪問して、太地で産まれ育った2人と話した訳だが、
2人の共通点は、クジラの町で産まれた以上、それを否定する事は出来ないと言うことだった。
もし私も太地町で産まれ育っていたなら、同じ応えだったろうと思う。
しかし、イルカ展示ビジネスのための捕獲は許されるのか?
という点に関しては、2人の答えは違った。
もし私が太地町で産まれ育ちそれを問われたら
O君と同じようにYESと応えたであろう。
何故なれこれまで散々訴えてきたように
水族館展示ビジネス用のイルカの捕獲は伝統文化とは関係のない全く別ものだからである。
イルカ達に対する過激な暴力行為の数々を観て、
イルカ猟師に対する憎しみや怒りの気持ちが湧いてくる。
それを否定はできないし、これからもそういった感情は自然に湧いてくるだろう。
だってそれは、自分の大切な誰かが同じ目に遭わされているのと同じだから。。。
そしてそれは私のようなVEGANに目覚めないと感じられない事なんだろうか???
そんな事はないと思う。。。
誰しもが、日常的に、目の前の誰かを助けたいと思わされる事はあるはずだと思うから。。。
でも今回小畑氏と話してみて、彼の存在そのものを否定したい訳ではない自分の気持ちも確認した。
結局、彼も、動物を当たり前に犠牲にする世の中に呑み込まれて育った被害者なのだ。
そんな環境にもろ産まれてしまった事は、より抵抗する気持ちを強めてしまうであろう。
どこかでこの負のループを断ち切らないといけない。
太地町イルカ追い込み猟を終わりに向かわせることは
そこに関わってきた人達をも解放に導くと言うことなのである。
誰かが犯罪を起こした時、いつも思い出す。
みな産まれた時は同じだった。。。
環境がその人を変えてしまう。
誰かを苦しめるために産まれてきた人など1人もいないのだ。
この負のループを終わらせたい。
そんな想いがより一層強くなるだけだ。
また小畑さんに出逢ったら、私は今回と同じように話しかけるだろう。
9月1日。またイルカ追い込み猟が解禁になります。
イルカも人間も、苦しめられなくて済む道があるはず。
そこを目指して今後も訴え続けていきたい。
前シーズンのイルカ追い込み猟が終わってからもう半年が過ぎ去ろうとしている。
この半年、イルカ追い込み猟自体はなかったが、
これまでに生け捕りされた凄まじい数のイルカ達は、
太地町の森浦湾を中心に作られたイルカ監獄の生け簀の中で、
この半年間も毎日拷問漬けの絶望の日々に苦しめられてきた。
野生下から捕獲されるシーンに焦点が当てられがちだが、
太地町から水族館に売られていったイルカも含め、これまでに犠牲になりすでに囚われの身となったイルカ達の苦痛は計り知れない規模となっている。
そんな犠牲者たちのことも、常に気に留めて置いてもらいたい。。。
太地町森浦湾の生け簀に監禁されてるイルカのハニー。
— VEGANさっち~♥迫害され続ける動物の声 (@ESpeciesism) January 7, 2021
動物を見世物にするビジネス
それで楽しむ人間の娯楽のために
全てを奪われました。
この子達が再び自由を手にするのは
死んだ時。
#太地町イルカ追いこみ猟反対#打倒二階#捕鯨利権 pic.twitter.com/wwmCHMJlFN
私はそんなイルカ達の様子が気になるのと、今年の2月に太地町を訪問した際に知り合った太地町で生まれ育った青年(O君)との再会を果たすため、7月に太地町に行ってきた。
2022.2.24 O君についても触れている2月訪問時の投稿
太地町に足を運ぶと毎度恐ろしいと感じるのが、あまりに静かすぎてイルカ達がまさかそんな目に遭わされていることが一見解らないこと。
ここは太地漁港と繋がるエリアにある駐車場だが、目の前に生け簀があっても
そこにまさか家族を殺されて生け捕りにされた多数のイルカ達が監禁されているなんて、無知な人達は想像もできないのではないだろうか。目の前に絶望の牢獄があることは知ってる人にしか伝わらない、
それが更に残酷さを際立たせる、本当に静まりかえった怖い町。


2月に知り合ったO君は、実は森浦湾をカヤックで案内するバイトをしていて、以前より生け簀にいるイルカ達の飼育環境は決して良いとは思えず可哀想だと感じていたそうだ。
O君はまた三軒町長のやり方に大きな不信感を抱いており、このままだと太地町の未来はないと考えていて心の内を色々話してくれた。
そして彼は私と話をするまで、イルカ展示ビジネスのために行われているイルカ追い込み猟の実態について良く知らなかったよう。
生け簀に閉じ込められたイルカを可哀想と感じることのできるO君には勿論イルカ追い込み猟の残酷さが理解できた。
そして捕鯨の町で産まれた自分は捕鯨そのものに反対はできないがと前置きはあったものの、
イルカ追い込み猟(展示ビジネスのための捕獲)に関しては私の訴えに共感すると言ってくれた。
これだけ捕鯨の町として注目されていながら、地元の人でもイルカ追い込み猟の事を良く解っていない人は多い。
地元だから、ずっと昔から行われている事だから、それ自体に関心がなかったり、疑問を抱かないままになるのかもしれない。。。
そして今回、また会う時があったら森浦湾をカヤックで案内できると言ってくれていたので、
今回彼の案内で森浦湾に浮かぶイルカ監獄を間近で確認してきた。
彼には前に太地町住民でイルカ追い込み猟反対活動してるkunitoさんにも逢ってもらいたいと話していたので、
今回kunitoさんにもお願いして同行して貰った。


100頭以上のイルカが監禁されてるイルカ監獄。
生け簀に近づくと、奴隷にされたイルカ達の息遣いが聞こえてきて悲しい。
区切られた生け簀の中には数頭づつが所狭しと閉じ込められていた。
知ってはいても、間近で改めてイルカ達の姿を確認して、やはりこれが現実なんだと、やりきれない思いに襲われる。
生け簀のイルカの管理は、太地開発公社や太地町立くじらの博物館のスタッフによって行われているとのこと。
現在スタッフが足りない状況だそうで、中国人のバイトも雇われていた。
生け簀では写真撮影禁止とのことで、カメラにおさめることが出来なかったのが残念だが、
餌やりのスタッフがづくと、いつもはジッとしているイルカ達が一斉にジャンプしだす光景には特に胸が痛んだ。
野生イルカは自分で餌になる魚を探すことに多くの時間を費やすが、生け簀の中ではそれができない。
薬物を詰め込まれた死んだ魚を調教のご褒美に与えられるだけ。
極限状態まで追い詰められたイルカ達はもうそれに従うしかなくなってしまう。
何もすることのない生け簀の中で、それが唯一の楽しみの時間にもなっているということ。。。
勿論すべてのイルカがそうではない。
まだ完全に奴隷化に至ってないイルカ達もいる。
固まったように全く動かない、餌を食べようとしない、拒否反応を示す子。。。
中々餌を食べようとしないイルカ達にトレーナーは手を焼いていた。
そういう子たちは口を乱暴に開けられ暴力的に餌を詰め込まれることもある。
人間にすんなり従わせるイルカを育てる拷問場。ここは奴隷生産工場なのだ。
そりゃ撮影禁止にするだろう。
また今回生け簀のひとつひとつにこれまでなかった監視カメラ?が設置されている事にO君が気づいた。
イルカ達の様子を確認するためか?
O君は冗談で、私みたいな人が網を切らないよう見張ってるんじゃないですか?と言ってたが、笑
現実問題、残念ながらそれを実行してもイルカ達を逃がすことはできないのだ。
何故なら森浦湾はクジラ牧場計画で遊歩道を境界線に端から端まで仕切り網が張られていて、逃げられないようになっているから。
だから私が切った所で逃すことはできない、そんな無駄な行為を行ったりしない事を知って欲しい、苦笑
またO君の話によると、遊歩道も途中までで終わっているが、いま森浦湾の工事は中断しているらしい。
しかも工事が進んでいない理由が、残りの工事費用がどこかに消えてしまったからと噂されているらしく、ほんとどんだけヤバイ町なのかと。
それが本当ならいったい誰の懐へ?是非明らかにしてもらいたいものだ。
因みに、この時、カヤックで渡った向こう岸には、あろうことか裏手にゴミが山積みにされていて、隠しておけばどうにかなると思っている?太地町の隠蔽体質が別の角度からも垣間見れた気がした。


いったい何のゴミが放置されているのか見ていたら、
クニトさんがそれは真珠養殖で使ってたやつだと教えてくれた。
そうだ。ここ森浦湾が以前は真珠の養殖場だった事を思い出した。
太地町は捕鯨以外のちゃんとした伝統産業を有していたのだ。
しかも、和歌山県で唯一の真珠養殖業を行っていた三幸漁業生産組合の長は、現太地町長の三軒町長だった、
しかも三軒氏のお父さんの意思を引き継いで行っていたというから、三軒町長はそもそも捕鯨とは別業界の人。
なのに捕鯨文化を偉そうに語る三軒町長の胡散臭さは半端ない。
詳しくは捕鯨問題に詳しいカメクジラネコさんの記事を読んで欲しい。
「2013年10月18日◇伝統産業を政治力でねじ伏せる捕鯨の町・太地のやり方はまるで原発推進電力会社」
~イルカ追い込み猟以上に重要な伝統産業だったはずの真珠養殖の方は、どういう理由によってか、他の方に事業を譲ったうえで、結局鯨の海構想のために潰してしまおうと、三軒氏はお考えになったわけです。~
http://kkneko.sblo.jp/archives/201310-1.html
「森浦湾に真珠を求めて―三幸漁業生産組合」代表者 三軒一高
http://www.wsk.or.jp/book/40/02.html
すっかりイルカ搾取ビジネスに染まってしまった町。
そしてそこから一歩も動こうとしない、変わる気配のない太地町。
一方、世間の動きに目を向けると、この半年間は娯楽ビジネスの犠牲者となる動物達にとって
これまでにないメリットと思えるニュースや動きがいくつかあった。
動物見世物ビジネスによって成り立っている太地町イルカ追い込み猟にも当然関係してくるニュースの数々だ。
大きな変化と思えたひとつめのニュースは、しながわ水族館がリニューアルオープンに向けてイルカショー廃止宣言したこと。
その理由が"イルカのため"ではないにしろ、イルカ保護を訴えてきた人々の意見や世界的な動向が決定に影響を与えてた事は確かだ。
そしてその後、更なる波が来た。
日本で一番人気の水族館「桂浜水族館」が、突然動物ショー廃止宣言したこと。
ここでの理由はずばり"動物のため"であった。
ただ動物のためと言っても、ショーを続けることでの動物達への負担を考えてのことで、動物利用そのものを否定している訳ではないが、それでも、これまでにない大きな動きだ。
(過去関連記事)
2022.5.10 この日本でついにイルカ解放の未来が見えてきた…「しながわ水族館がイルカの展示を廃止へ!!!」これを活かすか殺すかは、イルカ達の苦しみに寄り添える人達にかかっている。第2波を起こすためにやるべき事をやろう。意見を届けよう。
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-432.html
2022.6.10 好きな水族館ランキング1位の「桂浜水族館」が!!なんと動物ショー廃止宣言!!!しながわ水族館のイルカショー廃止宣言に続く第2派が到来(ToT)
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-436.html

北海道の札幌市では全国初となる「動物福祉」を掲げた動物園条例が成立するという動きもあった。
動物見世物ビジネスでの動物達の扱いの酷さが当たり前だった日本に動物倫理について考える意識が育ってきている、ようやく、スタート地点に立ったことを感じさせられるこれまでにない半年間だった。
また、昨年9月30日に老朽化で閉館した京急油壺マリンパークが
8月25日に日本初のバーチャル水族館としてリニューアルオープンした。
京急油壺マリンパークは日本でイルカの長距離輸送を始めて成功させた水族館で、それがきっかけで離れた他の水族館も太地町イルカ追い込み猟からイルカを購入するようになってしまったそうだから、そのレールを敷いた京急油壺マリンパークの罪は大きい。
バーチャル水族館と言っても、動物保護を訴えてる訳でもない、ただ油壺マリンパークの歴史を振り返るだけに留まる全く中身のないオンライン運営の形態ではあるが、これもまた水族館の在り方を見つめ直す大きな流れに乗っかっていることは間違いないと思う。
また今年はコロナ禍に加え、ロシアによるウクライナ侵攻を背景に続く食料やエネルギーの価格高騰により輸入に頼りきってる日本の経済的ダメージは勿論大きく、中でも動物を拘束して成り立つ業界のダメージは特に大きいものとなっている。
廃業する農家も増えており畜産業界は縮小するしかない状況だ。
勿論、動物に与える餌の問題で同じく動物園や水族館も益々窮地に立たされる状況になっている。
戦争のお陰でなんて言いたくはないが、思わぬ形で動物を積極的に犠牲にしてきた業界が困難な状況に追いやられているのはありがたいとしか言いようがない。
2022.6.5「餌代/光熱費/燃料代 水族館・動物園に高騰の波直撃」 静岡県内
https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1076179.html?lbl=10333&fbclid=IwAR0aiuloTTLVSpOUbO4KI157WoG2EmPbQ0CzMCP6kLtQk-zhUK1tJmYyUU8
2022.8.28 餌代や光熱費高騰で動物園がピンチ 職員も節約に奮闘も「もうどうすることもできない」
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/866269

また、和歌山県太地町のイルカ追いこみ猟を支えてきた大きな力になっている、政治的な圧力の問題。
この半年で大きな変化が起こってる。
まずは自民党の中だけでなく捕鯨推進勢力として最も活躍してきたあの二階が失脚したこと。
これごときでくたばるジジイではないが、これまでのような大きな力が発揮できる状況になくなった事は確かであろう。
普通に考えて年齢的にも厳しいものがある。
更には、イルカ追いこみ猟を許可してる立場であるだけでなく、二階と一丸となりこれまた積極的に捕鯨推進勢力として無駄に活躍してきた和歌山県知事の仁坂氏が引退することになった。
また、世界的にも大ニュースとなったが、二階と一丸となり捕鯨で美味しい思いをしてきた安倍が銃撃されこの世から去ったことである。
太地町イルカ追いこみ猟を支えてきた大物政治家たちがこのような状況に陥ってることは
これまでにない非常に大きな変化だろう。
(関連記事)
和歌山 仁坂知事“知事の務めは今期かぎりに” 引退する考え NHK和歌山県のニュース
https://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/20220615/2040011697.html

あらゆる側面から、太地町イルカ追い込み猟の存続は難しい。
益々そう感じ受け止められるニュースが続いた。
世の中の動きを追っていれば、そう考えるのは普通のこと。
そんな中、私は今回太地町を訪れた際、イルカ猟師の小畑氏と話す機会を得た。
ブログでも以前触れているが、
小畑氏は2017年にTVで太地町イルカ追い込み猟の問題の特集が組まれた際に
「イルカショーを観たいというお客さんがいる限り、自分達も折り合いをつけてやっていくしかない」と意味深な発言をしていて、
この人はもしかして話が通じる猟師ではないのか?と以前から感じており、
一度じっくり話してみたいと思っていた人物である。
(過去関連記事)
2017.12.7 太地町イルカ猟師の小畑組合長の発言に注目!!イルカ猟を続けるのはイルカショーのせい?必見の報道「かんさい情報ネット tenで太地町イルカ猟問題が放送されました。」
"イルカの捕獲は許されるのか?"
小畑氏のコメント↓
「それは言われると厳しいところもあります。ただショーとかで喜んでいる人とかそれを目的に来てくれる人というところで、自分が折り合いをつけないといけないのかな。。。難しいですね。。。」
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-106.html


そしてそれを叶えられる状況が目の前に現れた。
太地漁港に停泊している船で小畑さんが作業をしていたのを発見し、思い切って話しかけてみたのである。

過去にも別の猟師に挨拶がてら話しかけた事はあるが、「お前らみたいなのと話す事は何一つない。さっさと帰れ。」と言われた事があったので、今回もそんな展開になることは視野にいれてのことだったが、
しかし小畑氏は抵抗することなく、優しい微笑みで私の問いかけに丁寧に対応してくれた。
やっぱりなんとなく私が勝手に抱いていた良い方の印象が真っ先に来た感じだった。
そして前から気になっていた質問、テレビでの発言について真っ先に問うてみたが、
小畑氏は、何を言ったか覚えていないとのまさかの返答、笑
それが本当なのか?計算なのか?知る由はないが、
それを言われたら簡単に話が終わってしまうため焦った。
この動画をその場で見せられなかったのが悔しかった。
しかしその後も場を繋ぐため、あれやこれや質問を投げかける私の話に小畑さんは付きあってはくれた。
イルカ追い込み猟の目的である水族館展示ビジネス用のイルカを捕まえる件について、
しながわ水族館の件含め、世間が動物犠牲ビジネスに背を向けはじめていることについてどう思うか?
今後の猟に影響は出るか?問うたが、
情報も知らないだけでなく、そんなことは小畑氏(猟師)にとってはどうでもいいような無関心な口ぶりだった。
そして話を進めるに連れ、やっぱりそうなるのか、、と簡単に想像できる回答ばかりが続き、
結果的に、なんやかんや猟師として太地町イルカ追い込み猟を続ける聞き飽きた言い訳を散々聞かされるだけの展開になった件、苦笑。
その返答の数々は、これまでSNS上から情報を得てどれも聞いたことのある定番のセリフばかり。
この人たちは、本当に古い考えから抜け出せない人たちなのだなと、、、
水族館を相手にイルカを売買するのは先祖がやってきたことではないと突っ込んでも、先祖がいたから自分がいることを強調し、そんな先祖が守ってきてくれたことを大切にしているのだと強調していた。
それを観て私は、古い考えに固執したままでしか生きていく事のできない目の前の存在に胸が痛んだ。
中でも特に胸が痛んだのは、子供に堂々と胸を張って凄い仕事をしているんだと見せてやれる存在になりたいと、少年のような生き生きとした顔で説明していた事。
この人は地元に密着して生きてきただけの良く言えばすごくピュアな人なんだと思わずにいられなかった。
子供達が実際何をしてるかちゃんと知っているんだろうか?と考えたら、そんな子供の気持ちを想って胸が痛んだ。
そして小畑さんに「子供達が動物愛に目覚めたらどうするのか?」と問うたが、"それはない"とすんなり返されたが、、、
"それは子供達の気持ちを否定する事になる。それは良いというのか?"
小畑さんの心情も解る気がしてそこまでつっこめなかった自分もいた。
きっとそれは、小畑さんが本気でそう思っているわけではないというのが伝わったからなのだと思う。
今回色々話してみて、イルカが可哀相なのは勿論だが、そんな境遇に生まれ育ったイルカ猟師も可哀相なのだと思わずにいられなかった。
またこの時はそんな事があったことをすっかり忘れていたが、
私は過去にイルカ猟師の子供達と話したことがあった。
その時、その子供は「イルカと共生できる道があるならそれが1番いい」と意見を述べてくれていた。
後の祭りだが、せめてその情報提供くらい出来たら良かったと記憶力がすっかり低下してる老化してしまった己の存在にも残念さを感じてしまう。
(過去関連記事)
2018.8.3
デモ行進前日の熱かった1日。太地町の子供たちの動物愛護意識調査。太地町の皆さまのご協力。1年で17名のイルカ達が死亡する、くじらの博物館の動物虐待チェック。さっち~とシーシェパードの関係。他、お楽しみくださいw
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-195.html
また小畑氏は、おたくらは簡単に止めろというが、止めた場合の事をちゃんと考えてそれを言っているのか?と、その点についてはかなり強気の返答で、"生活の保障をしてくれるのか???" と問い詰められるばかりだった。
いつも思っているが、消費者のニーズ次第で日常的に廃れていく業界は多々あるが、いちいち相手に保障を求めたりはしていない。私自身も仕事が減ったからと、離れていったお客さんに対して保障しろ!!とそんな風に思ったことなどない。
そう考える私は、当然生活の保障までは出来ないし、それを求めるのは違うことを伝えた上で、
止めてくれるなら、それに代わる、例えばイルカウオッチング事業をするならそれを全力で応援したい気持ちは伝えた。
それは「イルカを見守るイルカウオッチングに変えよう!」と、太地町で初のデモ行進でも訴えているが、ずっと考えている事だ。
イルカ達だけでなく、猟師らとも共生の道を探っての訴えだった。
2018.8.4 命を守る伝統を刻もう!太地町をイルカ保護の町にしよう!「太地町でイルカ追い込み猟廃止を求めるデモ行進」活動レポ
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-197.html

応えてくれるなら、応援したい気持ちがある事は、理解しておいて欲しいと思っていたし、
私と同じように応援したいと思う人は多いと思っている。
せめてそれを伝えられただけでも良かったかもしれない。
また最後は漁業が漁具を垂れ流して海を汚し海洋生物達を苦しめてる問題についてまで話は発展したが、
小畑さんがその点については私の話にすんなり同意したのには驚いた。
イルカ猟師がタバコを平気でポイ捨てしてる件についても問うたが、そこは注意してるそうだ。
今日、太地町イルカ追い込み猟の準備をしていた漁師が、タバコのポイ捨てをしていた。しかも火がついたまま投げ捨ててる、、許せん、、。
— VEGANさっち~♥迫害され続ける動物の声 (@ESpeciesism) August 27, 2021
マナーの欠片もないこんな悪質な人間に、イルカ達はとことん傷つけられてると思うと余計腹立たしい…
警察に通報しといた。
ちゃんと処罰されてほしい。 pic.twitter.com/4bjXWQ8JJ1
ゴミ問題についてちゃんと考え行動してる猟師は一体どれだけいるのか?
それすら少ない現状があることが容易に解ってるだけに、その程度の意識の共有が素晴らしいという事にするしかなかった事も辛かった。
言い訳としか思えない点も多々だったけど、それでも私にはやっぱり小畑さんは、まだ話のわかる人なのだと確認できた貴重な時間になったと思う。
結果的に約30~40分ほど話せたが、初対面でありながら良く話せた方だと思う。
勿論この程度の会話でこちらの気持ちが伝わるはずもなく
最後は、「今年もイルカ追い込み全力で頑張ります^^」と笑顔で返されたが、
私も「反対活動頑張ります^^また会う時があったら是非お話してください」とお別れした。
しかし、そんな最後のシーンは決して悪い空気ではなかったと思う。
小畑さんはもう少し柔軟な考えができる人ではないかと(私が勝手に)思っていただけにガッカリな部分もあったが、今回の対話は個人的に大きな収穫になったと思っているしありがたい出来事だったと思っている。
今回太地町を訪問して、太地で産まれ育った2人と話した訳だが、
2人の共通点は、クジラの町で産まれた以上、それを否定する事は出来ないと言うことだった。
もし私も太地町で産まれ育っていたなら、同じ応えだったろうと思う。
しかし、イルカ展示ビジネスのための捕獲は許されるのか?
という点に関しては、2人の答えは違った。
もし私が太地町で産まれ育ちそれを問われたら
O君と同じようにYESと応えたであろう。
何故なれこれまで散々訴えてきたように
水族館展示ビジネス用のイルカの捕獲は伝統文化とは関係のない全く別ものだからである。
イルカ達に対する過激な暴力行為の数々を観て、
イルカ猟師に対する憎しみや怒りの気持ちが湧いてくる。
それを否定はできないし、これからもそういった感情は自然に湧いてくるだろう。
だってそれは、自分の大切な誰かが同じ目に遭わされているのと同じだから。。。
そしてそれは私のようなVEGANに目覚めないと感じられない事なんだろうか???
そんな事はないと思う。。。
誰しもが、日常的に、目の前の誰かを助けたいと思わされる事はあるはずだと思うから。。。
でも今回小畑氏と話してみて、彼の存在そのものを否定したい訳ではない自分の気持ちも確認した。
結局、彼も、動物を当たり前に犠牲にする世の中に呑み込まれて育った被害者なのだ。
そんな環境にもろ産まれてしまった事は、より抵抗する気持ちを強めてしまうであろう。
どこかでこの負のループを断ち切らないといけない。
太地町イルカ追い込み猟を終わりに向かわせることは
そこに関わってきた人達をも解放に導くと言うことなのである。
誰かが犯罪を起こした時、いつも思い出す。
みな産まれた時は同じだった。。。
環境がその人を変えてしまう。
誰かを苦しめるために産まれてきた人など1人もいないのだ。
この負のループを終わらせたい。
そんな想いがより一層強くなるだけだ。
また小畑さんに出逢ったら、私は今回と同じように話しかけるだろう。
9月1日。またイルカ追い込み猟が解禁になります。
イルカも人間も、苦しめられなくて済む道があるはず。
そこを目指して今後も訴え続けていきたい。