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念願の水族館で働いた元飼育員が訴える「イルカを助ける方法」ここに全ての答えがある。"なぜイルカを水族館で飼育すべきではないのか" タイソン・チャン TEDxXiguan #イルカショーの裏側 #太地町イルカ追いこみ猟反対
(過去関連記事)
2022.2.13「朝日新聞に掲載された動物達の声が激アツ!!!」 裏側に徹底的に覆い隠されてきた動物達の声が取り上げられるようになってきてる日本の姿に希望を抱こう。拡散しよう。
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-425.html
東洋経済オンラインに続き、先日朝日新聞で裏側に多い隠される動物達の声が一面に掲載された件↑
この中でPEACEの代表の投稿で知ったTED講演動画が非常に素晴らしかったので改めて取り上げておきたい。
講演を行っているタイソン・チャン氏は、幼少期に水族館でイルカと触れあったのを香港海洋公園で働くことになった。
しかし、そこで彼が感じた違和感が彼を動かした。
水族館で働かされているイルカのことをちゃんと知るために、彼は野生イルカを知るための研究の道へと進んだ。
そして彼はその心の内をTEDで明かした。
ここで語られていることの全ては、間違いなくイルカ達を救う方法である。
2017年にこの講演が行われた当時は、中国の水族館と太地町のイルカ売買取引が凄まじく活性に向かっていた時だ。
その当時に中国でこんな素晴らしい活動を行っていた方がいた事を全く知らなかった事が悔やまれる。
そして彼の訴えは間違いなく今の中国に活かされていると思う。
非常に重要な内容だったので書き起こしました。
水槽に閉じこめられたイルカ達を救いたいなら、イルカ達の代わりに訴える彼の声を、この情報を拡散してください。
なぜイルカを水族館で飼育すべきではないのか | タイソン・チャン | TEDxXiguan
(動画説明欄より)
ほとんどの人は生きているイルカを水族館で初めて見ます。
タイソン・チャンもそうでした。
それでイルカが大好きになり、何年も後に香港海洋公園で働くようになりました。
大好きなイルカを毎日見られて一緒に働けても嬉しくはありませんでした。
水族館が来館者に伝えているほど、イルカは健康でも幸せでもありませんでした。
このトークで彼は何を学んだかと、この現状を変えるために私たちに何ができるかを語ります。
現在、タイソンは香港イルカ保育学会を指揮し、この残虐な行為を終わらせたいと固く決意しています。
地元の研究チームと一緒に、イルカを生き残らせるために懸命に奮闘しています。
彼のチームの目的は、香港の海でシナウスイロイルカやスナメリを繁栄させることです。
野生のイルカのために活動する一方で、このチームは飼育問題を解決することも目的としています。
タイソンは仕事を通じて飼育されたイルカと野生のイルカの両方を見てきたので、飼育か野生かでイルカの行動・健康状態が変わることに気づいています。
近年から、地元や他国の活動的なグループと共に積極的に活動し、香港や中国本土で抗議活動や市民に知ってもらうためのイベントに参加しています。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。
詳しくはhttp://ted.com/tedx をご覧ください。
↓トークここから↓
「海にはないんだよ!壁なんて」
映画『ファインディング・ドリー』で
ベイリーは親友のデスティニーに言います。
ここから私の話が始まります。
私の話はイルカと水族館についてです。
イルカは水中で生活していて目にする機会はあまり無いにも関わらず
イルカと人の物語はたくさんあります。
皆さんの多くはイルカを見たことがあると思います。
イルカはかわいくて知性があると言ったら、皆さんも同意してくれるでしょう。
猫や犬や他の家畜に加えて、イルカも人間にとって良い友達だと既に表現されています。
イルカはサーファーをサメから守ります。
イルカは海に落ちた人を助けます。
見た目は人と異なりますが、イルカは人と似ています。
インド政府は実際にイルカを「細長い人間」として認めました。
(参照)
2013.6.12 インドもクジラ目の動物を「人類ではない人」と公式に認めた。そして、ドルフィンパークの開演や娯楽ショーを禁止すると発表した。それは「彼らの知性と感情が証明されている」ためだ。
https://wired.jp/2013/06/12/dolphin-identified-human/
私は野生イルカ研究所で働き
野生のイルカがどんな行動をするかを見てきました。
これは香港で見られるイルカです。
ピンクイルカあるいは、シナウスイロイルカと呼ばれています。

彼らの調査を約4年行いましたが、いまだに見る度に驚くことがあります。
たまにイルカが餌を与えています、
たまに友達とグループで行動しています、
たまに休んでいたり涼んでいたり、遊んでいるだけだったりします。
多くの人がイルカは、皆同じに見えると思っています。
しかし実際には良く見ると、全てのイルカに特有の性格があります。
ふざけたがるイルカもいれば、恥ずかしがり屋のイルカもいます。
イルカも複雑な感情を持っています。
ある時にはボートに近づき、近くで遊びたがります、
けれど時々尾びれを海面に叩きつけこう言っているようにも見えます。
「どっか行け!邪魔するな!」
毎回ボートで近づいてくるたびに
イルカは私たちのことを見ていると気づかされます。
イルカのまなざしから私たちのことを何か考えていると確信しています。
イルカが私のことをどう考えているのか、想像するのが好きです。
例えば
「君はまた来たんだね ボートから降りて一緒に遊ぼう」とか
「おい 人間め!俺はお前が大嫌いだ 降りてきたら噛むぞ!」とか(笑)
今言ったことは私の想像だけではありません。
イルカの知能について、まだ科学者たちは議論を続けていますが
イルカの知能は概ね、
6歳から7歳くらいの人間の子供の知能に相当すると考えられています。
それは人間の基準に基づいて測定されているので
まだイルカの知能を過小評価している可能性が大いにあります。
イルカの大脳皮質にたくさんのシワがあります。
それはイルカの脳が一度にたくさんの情報を処理できることを意味しています。
結果としてイルカの群れによって異なる
さまざまな文化や複雑な社会構造ができあがります。

ここで私の友人を紹介します。
彼女はロウピー、別名CH34と言います、
1997年に初めて発見されました。

背びれに消えない傷痕があります。
これは漁網にからまった時の傷痕です。
彼女は2頭の子供を産みましたが、
残念なことに2頭とも死んでしまい死因は不明です。
2頭目が亡くなった時、彼女はひどく落ち込みました。
子供の死を受け入れられなかったのです。
子供の遺体をずっと浮かせて、息を吹き返すことを願っていました。
彼女は一週間もつきっきりで食事もしませんでした。
なぜなら遺体から目が放せなかったからです。
怪我をしていないにも関わらず、ひどく痩せてしまいました。
餓死するのではないかと懸念したほどです。

結局1週間後、彼女は子供を諦め、生き永らえました。
私はこの話を人に伝えるたびにいつも悲しい思いをしています。
しかしイルカも愛する家族の死に深く悲しむことは驚きです。
この行動は数種の動物にしか見られません。
ゾウや霊長類の一部や
そして私自身やここにいる皆さんのような人間です。
イルカは地球上の至る所でたくさんの脅威にさらされています。
人間が、人間の活動が原因です。
汚染、船舶交通、沿岸開発などの脅威にさらされながら
生きていかなければなりません。
けれど私はイルカを見る度に、イルカにとって大事なことは
基本的な自由だと思います。
したいことをする自由、
行きたいところに行く自由、
生まれながらの捕食者にふさわしく、
優雅に活き活きと生きる自由です。


私は小学生のころに初めてイルカに会いました。
会場の皆さんのほとんどもそうかもしれません。
私は香港海洋公園で初めてイルカに会いました。
私は運よくイルカのひれを触らせてもらいました。
その時の喜びが私を突き動かし、
私は最終的に香港海洋公園で採用されました(笑)
けれどそこで働き始めてから、私が期待していたものと
全く違うことに気づきました。
海洋公園が来館者に伝えているほど、
イルカは幸せではありませんでした。
海洋公園が行っていることは、本当の教育や保護ではありません。

ドアのない部屋に一生閉じ込められることが
どういうことだか想像できますか?
行きたいところに行けなければ
惨めな人生になることは確実でしょう。

イルカは日中うるさい音楽や
来館者のうるさい声をいつも聞かされているのです。
(音楽)
この音楽を毎日、日中イルカたちは聞いているのです。
イルカのように音にとても敏感な動物にとって、
長時間騒音にさらされることはストレスになり、
聴覚障害や心理的障害すら引き起こします。
海洋公園のイルカはいつも飢えています。
トレーナーとして私たちは、絶対に満腹になるまで餌を与えません。

なぜなら、満腹になったら命令を聞かなくなるかもしれないからです。
アクロバティックな演技や自然ではない動きをするために、
エネルギーをたくさん消費します。
ハイジャンプやテールウォークや、
来館者を満足させるために小さなボートを引っ張ることさえします。
人間にとってはエンターテイメントですが
イルカにとっては全て辛い仕事です。
疲労しストレスがたまります。

それから長い1日の後、夜は無人のまま残されます。
誰もイルカには何が必要なのか気にしません。
イルカにとって与えられるのは、イルカにとって浴槽サイズの水槽です。
近年シナウスイロイルカは、夜により活動的になり
たくさんの音を発生させることが分かりました。
それは私たちはまだイルカについて、知らない情報が多くあることを示しています。
もし飼育されているイルカが実際に夜にもっと世話が必要だとしたら?
しかし悲しいことに
毎晩水槽の中でぐるぐる泳ぎ回ったり、
動かずに浮いたりすることしかできません。
科学者はこれらの行動を
常同行動や無意味行動と呼んでいます。
この行動は飼育されている動物にだけ見られ、退屈が原因です。
心理的にも不健康です。
野生のイルカがどのように捕獲されるかご存知ですか?
中国の水族館にいるイルカのほとんどは
日本かロシアで捕獲されます。
「追いこみ漁」という方法で
野生のイルカは捕まえられます。
海でイルカの群れに標的を定めます。
モーターボートで追い回し、金属の棒を鳴らして
浅い入り江に追い込みます。
世界中からトレーナーがやってきて
捕獲されたイルカの中からショーに適したイルカを探します。
大抵若いメスが選ばれます。

品定めの後 イルカは引き取られます。
残りの個体は解体され肉として売られます。
そのせいで水族館で目にする1頭のイルカの背後では
他の野生のイルカ数百頭が犠牲になっています。
おそらく野生のイルカの個体数の
持続可能性にも影響があるでしょう。
最近の研究ではイルカの記憶力はとても良く
20年間離れ離れになっても友達のことを覚えていて、
それぞれの個体に特有なホイッスル音で識別しています。
捕獲されたイルカは彼らの残りの生き残りですが
心が痛む記憶が一生残ります。

健康問題も引き起こします。
慢性的なストレスが消化器官を弱らせ、
餌は数種類の冷凍した魚だけなので十分な栄養も得られていません。
結果としてたくさんの薬を投与しなければなりません。
健康を維持するための抗生物質、ビタミン剤などのサプリメントなどです。
歯の病気も併発します、プールの壁や水中の物を常に噛むからです。
これも常同行動のひとつです。

これらの健康問題はすべて、
捕獲されたイルカは野生のイルカよりも、寿命が短い理由を示唆しています。
香港海洋公園にいるイルカの平均寿命は3年以下です。
野生のイルカと比較するなら
ハンドウイルカは通常30-40年、さらにそれ以上生きます。
海洋公園は水族館でのイルカの暮らしを 来館者に説明していますが
野生のイルカの暮らしについて、間違った理解に基づくものです。
だから捕獲産業は教育や保護の推進に失敗するのです。
海洋公園が伝えているのは、
野生のイルカの実話ではなく
耳障りのいい話しか伝えていない、
捕獲されたイルカのフィクションでしかないからです。
捕獲産業は、捕獲し閉じ込めるという正に残虐な行為を
表面だけ取り繕って利用し続けています。
水族館は野生生物の保護とは正反対のことを行なっているので
決して動物について学ぶのに相応しい場になることはありません。
野生生物の保護とは
動物の生活と自然の生息地を守ることです。
飼育されているイルカを見ることで
野生のイルカの間違った認識が生まれます。
残酷な行為を隠したままでは
残酷なことは無くなりません。

私は友人に尋ねられました。
「水族館がなければ海洋生物についてどうやって学べばいいの?」
最も簡単な方法はネットで調べて
ドキュメンタリー映画を見て本を読むことです。
イルカ捕獲の代替案は他にもたくさんあります。
プールのような施設は、
怪我したイルカや瀕死のイルカを保護する保護施設に変えられます。
イルカを留め置く主な目的は、
リハビリや回復した後に野生に還すことであって、
大衆を楽しませるために
動物たちを施設に閉じ込めることではありません。
水族館内の他の場所は博物館のような施設にして
海洋生物のはく製を展示できます。
この方法の一番いい点は、一般の人が本当の動物を
目の前で見ることができる点です。
恐竜の化石を見るために博物館に行くようなものです。
子供たちは生きている恐竜を一度も見たことがなくても
恐竜が大好きになります。
生きた動物が全くいないので、来館者に伝える情報は全てが真実で、
市民を教育し野生生物を保護するために
掲げているビジョンを遂行することができます。
バーチャル・リアリティを使って
来館者に海中を疑似体験してもらうことも出来ます。
近年、バーチャル・リアリティはとても一般的になり
体験した人々は海中に潜っていろいろな生き物を見ているように感じます。
また生きている動物を必要としません。
展示用の動物を常に入れ替え続ける必要はないのです。
かかる費用はこれらのハイテク設備のメインテナンス費だけです。

いま皆さんは水族館についてどう考えていますか?
振り返ると私は初めてイルカを見た日
そのイルカがどの種で 海のどこで生息しているのか
知らなかった事に気づきました。
そのイルカとは何のつながりもなかったのです。
それでもここ何年かを通して、
この残酷な行為を終わらせるカギを見つけました。
この産業の需要は私たちが生みだしているものです。
チケットを買うことで、
最終的にハンターの手にお金が渡ります。
私たちにはこの残酷な行為を止める力と責任があります。

今からイルカや他の海洋哺乳類を飼育している水族館に行かないでください。
友人や家族にも行かないように伝えてください。
この産業や政府に手紙を書いて、
彼らにどうしてほしいのか伝えることもできます。(拍手)
私たちが力を合わせれば、
イルカの前に立ちはだかる全ての壁を取り払うことができます。

映画『ザ・コーヴ』から引用した言葉で私のトークを締めます。
「私たちは彼らの最大の脅威であり 唯一の望みでもあります」
ありがとうございました、よい1日をお過ごしください(拍手)

※最後に主催者より質問コーナーがありました。
重要ポイントだけ紹介させてもらいます。
(主催者)
広州市で最近水族館がオープンしました
それから世間の注目は世界一痛ましいホッキョクグマに集まりました
ホッキョクグマについてこんなコメントを聞いたかもしれません
「こんなひどい環境で生活させるなんて!」
トーク中におっしゃられたように
水族館に行かないこと以外でこの問題に関心がある市民がとれる行動はありますか?
(チャン)
私はこの問題のカギは現代の教育だと思います
今の若い世代は水族館で海洋生物を飼育することを良い考えだと思っています
彼らの水族館に対する考え方を大きく変えることは可能でしょうか?
次の世代を教育することでそれが可能になります
海洋生物について知りたかったら水族館は適切な場所ではありません
私たちの世代では野生動物について教育するのに
水族館は最適な場所だと考えられていて
考えを改めることを怠っていました
何年もあるこの考え方を変えるためには
このメッセージをコミュニティに持ち帰って子供たちに話すことです
それが人々の水族館に対する考え方を変える
最も効果的な方法の一つだと思います
(主催者)
ありがとうございます(拍手)
2022.2.13「朝日新聞に掲載された動物達の声が激アツ!!!」 裏側に徹底的に覆い隠されてきた動物達の声が取り上げられるようになってきてる日本の姿に希望を抱こう。拡散しよう。
http://animalliberation.blog.fc2.com/blog-entry-425.html
東洋経済オンラインに続き、先日朝日新聞で裏側に多い隠される動物達の声が一面に掲載された件↑
この中でPEACEの代表の投稿で知ったTED講演動画が非常に素晴らしかったので改めて取り上げておきたい。
講演を行っているタイソン・チャン氏は、幼少期に水族館でイルカと触れあったのを香港海洋公園で働くことになった。
しかし、そこで彼が感じた違和感が彼を動かした。
水族館で働かされているイルカのことをちゃんと知るために、彼は野生イルカを知るための研究の道へと進んだ。
そして彼はその心の内をTEDで明かした。
ここで語られていることの全ては、間違いなくイルカ達を救う方法である。
2017年にこの講演が行われた当時は、中国の水族館と太地町のイルカ売買取引が凄まじく活性に向かっていた時だ。
その当時に中国でこんな素晴らしい活動を行っていた方がいた事を全く知らなかった事が悔やまれる。
そして彼の訴えは間違いなく今の中国に活かされていると思う。
非常に重要な内容だったので書き起こしました。
水槽に閉じこめられたイルカ達を救いたいなら、イルカ達の代わりに訴える彼の声を、この情報を拡散してください。
なぜイルカを水族館で飼育すべきではないのか | タイソン・チャン | TEDxXiguan
(動画説明欄より)
ほとんどの人は生きているイルカを水族館で初めて見ます。
タイソン・チャンもそうでした。
それでイルカが大好きになり、何年も後に香港海洋公園で働くようになりました。
大好きなイルカを毎日見られて一緒に働けても嬉しくはありませんでした。
水族館が来館者に伝えているほど、イルカは健康でも幸せでもありませんでした。
このトークで彼は何を学んだかと、この現状を変えるために私たちに何ができるかを語ります。
現在、タイソンは香港イルカ保育学会を指揮し、この残虐な行為を終わらせたいと固く決意しています。
地元の研究チームと一緒に、イルカを生き残らせるために懸命に奮闘しています。
彼のチームの目的は、香港の海でシナウスイロイルカやスナメリを繁栄させることです。
野生のイルカのために活動する一方で、このチームは飼育問題を解決することも目的としています。
タイソンは仕事を通じて飼育されたイルカと野生のイルカの両方を見てきたので、飼育か野生かでイルカの行動・健康状態が変わることに気づいています。
近年から、地元や他国の活動的なグループと共に積極的に活動し、香港や中国本土で抗議活動や市民に知ってもらうためのイベントに参加しています。
このビデオは、TEDカンファレンスの形式で地元コミュニティが独自に運営するTEDxイベントにおいて収録されたものです。
詳しくはhttp://ted.com/tedx をご覧ください。
↓トークここから↓
「海にはないんだよ!壁なんて」
映画『ファインディング・ドリー』で
ベイリーは親友のデスティニーに言います。
ここから私の話が始まります。
私の話はイルカと水族館についてです。
イルカは水中で生活していて目にする機会はあまり無いにも関わらず
イルカと人の物語はたくさんあります。
皆さんの多くはイルカを見たことがあると思います。
イルカはかわいくて知性があると言ったら、皆さんも同意してくれるでしょう。
猫や犬や他の家畜に加えて、イルカも人間にとって良い友達だと既に表現されています。
イルカはサーファーをサメから守ります。
イルカは海に落ちた人を助けます。
見た目は人と異なりますが、イルカは人と似ています。
インド政府は実際にイルカを「細長い人間」として認めました。
(参照)
2013.6.12 インドもクジラ目の動物を「人類ではない人」と公式に認めた。そして、ドルフィンパークの開演や娯楽ショーを禁止すると発表した。それは「彼らの知性と感情が証明されている」ためだ。
https://wired.jp/2013/06/12/dolphin-identified-human/
イルカは魚類で括られこの日本では漁業法で管理され虐殺されまくってるが、それに異を唱えるまともな人間が増えてほしい。
— VEGANさっち~♥迫害され続ける動物の声 (@ESpeciesism) February 6, 2021
イルカは明らかに魚類ではなく人類寄り。
その生命と自由の権利は尊重されなければならないとイルカを「人」と認めたインドの判断が正しい。 https://t.co/GKZNDVi4vA https://t.co/pGxLxtQ0eH
私は野生イルカ研究所で働き
野生のイルカがどんな行動をするかを見てきました。
これは香港で見られるイルカです。
ピンクイルカあるいは、シナウスイロイルカと呼ばれています。

彼らの調査を約4年行いましたが、いまだに見る度に驚くことがあります。
たまにイルカが餌を与えています、
たまに友達とグループで行動しています、
たまに休んでいたり涼んでいたり、遊んでいるだけだったりします。
多くの人がイルカは、皆同じに見えると思っています。
しかし実際には良く見ると、全てのイルカに特有の性格があります。
ふざけたがるイルカもいれば、恥ずかしがり屋のイルカもいます。
イルカも複雑な感情を持っています。
ある時にはボートに近づき、近くで遊びたがります、
けれど時々尾びれを海面に叩きつけこう言っているようにも見えます。
「どっか行け!邪魔するな!」
毎回ボートで近づいてくるたびに
イルカは私たちのことを見ていると気づかされます。
イルカのまなざしから私たちのことを何か考えていると確信しています。
イルカが私のことをどう考えているのか、想像するのが好きです。
例えば
「君はまた来たんだね ボートから降りて一緒に遊ぼう」とか
「おい 人間め!俺はお前が大嫌いだ 降りてきたら噛むぞ!」とか(笑)
今言ったことは私の想像だけではありません。
イルカの知能について、まだ科学者たちは議論を続けていますが
イルカの知能は概ね、
6歳から7歳くらいの人間の子供の知能に相当すると考えられています。
それは人間の基準に基づいて測定されているので
まだイルカの知能を過小評価している可能性が大いにあります。
イルカの大脳皮質にたくさんのシワがあります。
それはイルカの脳が一度にたくさんの情報を処理できることを意味しています。
結果としてイルカの群れによって異なる
さまざまな文化や複雑な社会構造ができあがります。

ここで私の友人を紹介します。
彼女はロウピー、別名CH34と言います、
1997年に初めて発見されました。

背びれに消えない傷痕があります。
これは漁網にからまった時の傷痕です。
彼女は2頭の子供を産みましたが、
残念なことに2頭とも死んでしまい死因は不明です。
2頭目が亡くなった時、彼女はひどく落ち込みました。
子供の死を受け入れられなかったのです。
子供の遺体をずっと浮かせて、息を吹き返すことを願っていました。
彼女は一週間もつきっきりで食事もしませんでした。
なぜなら遺体から目が放せなかったからです。
怪我をしていないにも関わらず、ひどく痩せてしまいました。
餓死するのではないかと懸念したほどです。

結局1週間後、彼女は子供を諦め、生き永らえました。
私はこの話を人に伝えるたびにいつも悲しい思いをしています。
しかしイルカも愛する家族の死に深く悲しむことは驚きです。
この行動は数種の動物にしか見られません。
ゾウや霊長類の一部や
そして私自身やここにいる皆さんのような人間です。
イルカは地球上の至る所でたくさんの脅威にさらされています。
人間が、人間の活動が原因です。
汚染、船舶交通、沿岸開発などの脅威にさらされながら
生きていかなければなりません。
けれど私はイルカを見る度に、イルカにとって大事なことは
基本的な自由だと思います。
したいことをする自由、
行きたいところに行く自由、
生まれながらの捕食者にふさわしく、
優雅に活き活きと生きる自由です。


私は小学生のころに初めてイルカに会いました。
会場の皆さんのほとんどもそうかもしれません。
私は香港海洋公園で初めてイルカに会いました。
私は運よくイルカのひれを触らせてもらいました。
その時の喜びが私を突き動かし、
私は最終的に香港海洋公園で採用されました(笑)
けれどそこで働き始めてから、私が期待していたものと
全く違うことに気づきました。
海洋公園が来館者に伝えているほど、
イルカは幸せではありませんでした。
海洋公園が行っていることは、本当の教育や保護ではありません。

ドアのない部屋に一生閉じ込められることが
どういうことだか想像できますか?
行きたいところに行けなければ
惨めな人生になることは確実でしょう。

イルカは日中うるさい音楽や
来館者のうるさい声をいつも聞かされているのです。
(音楽)
この音楽を毎日、日中イルカたちは聞いているのです。
イルカのように音にとても敏感な動物にとって、
長時間騒音にさらされることはストレスになり、
聴覚障害や心理的障害すら引き起こします。
海洋公園のイルカはいつも飢えています。
トレーナーとして私たちは、絶対に満腹になるまで餌を与えません。

なぜなら、満腹になったら命令を聞かなくなるかもしれないからです。
アクロバティックな演技や自然ではない動きをするために、
エネルギーをたくさん消費します。
ハイジャンプやテールウォークや、
来館者を満足させるために小さなボートを引っ張ることさえします。
人間にとってはエンターテイメントですが
イルカにとっては全て辛い仕事です。
疲労しストレスがたまります。

それから長い1日の後、夜は無人のまま残されます。
誰もイルカには何が必要なのか気にしません。
イルカにとって与えられるのは、イルカにとって浴槽サイズの水槽です。
近年シナウスイロイルカは、夜により活動的になり
たくさんの音を発生させることが分かりました。
それは私たちはまだイルカについて、知らない情報が多くあることを示しています。
もし飼育されているイルカが実際に夜にもっと世話が必要だとしたら?
しかし悲しいことに
毎晩水槽の中でぐるぐる泳ぎ回ったり、
動かずに浮いたりすることしかできません。
科学者はこれらの行動を
常同行動や無意味行動と呼んでいます。
この行動は飼育されている動物にだけ見られ、退屈が原因です。
心理的にも不健康です。
野生のイルカがどのように捕獲されるかご存知ですか?
中国の水族館にいるイルカのほとんどは
日本かロシアで捕獲されます。
「追いこみ漁」という方法で
野生のイルカは捕まえられます。
海でイルカの群れに標的を定めます。
モーターボートで追い回し、金属の棒を鳴らして
浅い入り江に追い込みます。
世界中からトレーナーがやってきて
捕獲されたイルカの中からショーに適したイルカを探します。
大抵若いメスが選ばれます。

品定めの後 イルカは引き取られます。
残りの個体は解体され肉として売られます。
そのせいで水族館で目にする1頭のイルカの背後では
他の野生のイルカ数百頭が犠牲になっています。
おそらく野生のイルカの個体数の
持続可能性にも影響があるでしょう。
最近の研究ではイルカの記憶力はとても良く
20年間離れ離れになっても友達のことを覚えていて、
それぞれの個体に特有なホイッスル音で識別しています。
捕獲されたイルカは彼らの残りの生き残りですが
心が痛む記憶が一生残ります。

健康問題も引き起こします。
慢性的なストレスが消化器官を弱らせ、
餌は数種類の冷凍した魚だけなので十分な栄養も得られていません。
結果としてたくさんの薬を投与しなければなりません。
健康を維持するための抗生物質、ビタミン剤などのサプリメントなどです。
歯の病気も併発します、プールの壁や水中の物を常に噛むからです。
これも常同行動のひとつです。

これらの健康問題はすべて、
捕獲されたイルカは野生のイルカよりも、寿命が短い理由を示唆しています。
香港海洋公園にいるイルカの平均寿命は3年以下です。
野生のイルカと比較するなら
ハンドウイルカは通常30-40年、さらにそれ以上生きます。
海洋公園は水族館でのイルカの暮らしを 来館者に説明していますが
野生のイルカの暮らしについて、間違った理解に基づくものです。
だから捕獲産業は教育や保護の推進に失敗するのです。
海洋公園が伝えているのは、
野生のイルカの実話ではなく
耳障りのいい話しか伝えていない、
捕獲されたイルカのフィクションでしかないからです。
捕獲産業は、捕獲し閉じ込めるという正に残虐な行為を
表面だけ取り繕って利用し続けています。
水族館は野生生物の保護とは正反対のことを行なっているので
決して動物について学ぶのに相応しい場になることはありません。
野生生物の保護とは
動物の生活と自然の生息地を守ることです。
飼育されているイルカを見ることで
野生のイルカの間違った認識が生まれます。
残酷な行為を隠したままでは
残酷なことは無くなりません。

私は友人に尋ねられました。
「水族館がなければ海洋生物についてどうやって学べばいいの?」
最も簡単な方法はネットで調べて
ドキュメンタリー映画を見て本を読むことです。
イルカ捕獲の代替案は他にもたくさんあります。
プールのような施設は、
怪我したイルカや瀕死のイルカを保護する保護施設に変えられます。
イルカを留め置く主な目的は、
リハビリや回復した後に野生に還すことであって、
大衆を楽しませるために
動物たちを施設に閉じ込めることではありません。
水族館内の他の場所は博物館のような施設にして
海洋生物のはく製を展示できます。
この方法の一番いい点は、一般の人が本当の動物を
目の前で見ることができる点です。
恐竜の化石を見るために博物館に行くようなものです。
子供たちは生きている恐竜を一度も見たことがなくても
恐竜が大好きになります。
生きた動物が全くいないので、来館者に伝える情報は全てが真実で、
市民を教育し野生生物を保護するために
掲げているビジョンを遂行することができます。
バーチャル・リアリティを使って
来館者に海中を疑似体験してもらうことも出来ます。
近年、バーチャル・リアリティはとても一般的になり
体験した人々は海中に潜っていろいろな生き物を見ているように感じます。
また生きている動物を必要としません。
展示用の動物を常に入れ替え続ける必要はないのです。
かかる費用はこれらのハイテク設備のメインテナンス費だけです。

いま皆さんは水族館についてどう考えていますか?
振り返ると私は初めてイルカを見た日
そのイルカがどの種で 海のどこで生息しているのか
知らなかった事に気づきました。
そのイルカとは何のつながりもなかったのです。
それでもここ何年かを通して、
この残酷な行為を終わらせるカギを見つけました。
この産業の需要は私たちが生みだしているものです。
チケットを買うことで、
最終的にハンターの手にお金が渡ります。
私たちにはこの残酷な行為を止める力と責任があります。

今からイルカや他の海洋哺乳類を飼育している水族館に行かないでください。
友人や家族にも行かないように伝えてください。
この産業や政府に手紙を書いて、
彼らにどうしてほしいのか伝えることもできます。(拍手)
私たちが力を合わせれば、
イルカの前に立ちはだかる全ての壁を取り払うことができます。

映画『ザ・コーヴ』から引用した言葉で私のトークを締めます。
「私たちは彼らの最大の脅威であり 唯一の望みでもあります」
ありがとうございました、よい1日をお過ごしください(拍手)

※最後に主催者より質問コーナーがありました。
重要ポイントだけ紹介させてもらいます。
(主催者)
広州市で最近水族館がオープンしました
それから世間の注目は世界一痛ましいホッキョクグマに集まりました
ホッキョクグマについてこんなコメントを聞いたかもしれません
「こんなひどい環境で生活させるなんて!」
トーク中におっしゃられたように
水族館に行かないこと以外でこの問題に関心がある市民がとれる行動はありますか?
(チャン)
私はこの問題のカギは現代の教育だと思います
今の若い世代は水族館で海洋生物を飼育することを良い考えだと思っています
彼らの水族館に対する考え方を大きく変えることは可能でしょうか?
次の世代を教育することでそれが可能になります
海洋生物について知りたかったら水族館は適切な場所ではありません
私たちの世代では野生動物について教育するのに
水族館は最適な場所だと考えられていて
考えを改めることを怠っていました
何年もあるこの考え方を変えるためには
このメッセージをコミュニティに持ち帰って子供たちに話すことです
それが人々の水族館に対する考え方を変える
最も効果的な方法の一つだと思います
(主催者)
ありがとうございます(拍手)
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